持続可能な世界を実現するための開発目標であるSustainable Development Goals(SDGs)が2015年に国連サミットで採択され、17の目標に対して具体的な問題解決の取り組みが盛んに行われています。その中で「すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」ことは、より質の高い社会の実現のための重要な目標の一つとなっています。しかし、現在の社会では、例えば離島などの地域的な困難さ、障がいなどの身体的な困難さ、在日外国人に見られる言語的困難さ、災害や紛争などによる環境的な困難さなどが原因で、十分な教育を受けたくても受けられない人がいるのが現状です。
昨年度の全国大会では、教育を阻害する要因の一つとなる「災害」に焦点をあて、被災した環境で学び続けるのに何が必要か、また被災経験からどのような学びをしたか、被災した方の事例を聞きながら考えました。本大会では災害にとどまらず、持続的な教育・学習を阻害する様々な困難さを広く捉え、それらを克服する教育システムの現状、および問題点から、今後の教育システムに求められる課題について議論します。