第44回教育システム情報学会全国大会

教育システム情報学会 第44回全国大会 終了報告

全国大会委員会 委員長 小尻智子(関西大学)

2019年の教育システム情報学会の全国大会を,9月11日(水)から13日(金)の期間,静岡大学浜松キャンパスで開催しました.405名という非常に多くの方にご参加いただきました.学会を盛り上げ,ホスピタリティあふれる会場運営をしていただきました現地の実行委員会の方々に心より感謝申し上げます.また各委員会のご支援により,プレカンファレンスや企画セッション,各種奨励も滞りなく進めることができました.ご参加の皆様方も,大会初日から最終日まで積極的にご参加頂きました.素晴らしい大会となりましたこと,全ての皆様に心より御礼申し上げます.

昨年度の大会では,台風と地震という2つの自然災害を経験しました.被災を経験した学会として,災害のような困難が生じたときに教育や情報技術がどのように貢献できるかを議論したいという思いから,本大会では「知の共有支援技術で支えるレジリエントな学び」というテーマを掲げました.2日目のメインイベントでは,震災を経験された先生方の事例を振り返りながら,自然災害に対する備えや,自然災害を乗り切るための情報技術について議論しました.最終日の公開シンポジウムでは,静岡大学を含む5大学で実施している組み込み技術者育成プログラムEnpitPro-Embの活動報告を基に,柔軟な判断ができ,実践力を備えた高度なIT人材の育成の在り方や課題,展望を共有しました.このうち2日目のメインイベントは社会的な注目も高く,議論の模様は9月13日の中日新聞と静岡新聞の朝刊に掲載されました.

大会初日の開会式では,静岡大学情報学部長の近藤真先生に挨拶を頂戴しました.その後,新会長になられた柏原昭博先生に,「学習支援システム研究の核心と拡がり」というタイトルで基調講演をいただき,学習モデルを基軸とした教育システム情報学の在り方について話題提供を頂きました.その後に開催された企業セッションでは15の企業にプレゼンテーションをしていただきました.

研究発表は,11のテーマからなる企画セッションに73件,学生研究特別セッションに7件,口頭発表に90件,インタラクティブ発表に58件のご投稿をいただきました.初日のプレカンファレンスにも7テーマのご応募をいただき,3日間にわたって活発な議論がなされました.

2日目の夜に静岡大学の生協で開催された懇親会には192名もの方が参加し,浜松餃子や静岡おでんなどの浜松のグルメを楽しみながら交流を深めました.懇親会の途中には,学生セッションの学生さんの紹介や功労賞・功績賞を受賞された先生方のスピーチ,静岡大学前学長の伊東幸宏先生の挨拶などがあり,内容の濃い楽しい会となりました.

さて,来年の全国大会は,広島工業大学五日市キャンパス(実行委員長 松本慎平先生)で開催いたします.五日市は広電宮島線で広島から宮島へ行く途中に位置し,広島だけではなく,宮島へのアクセスも良好です.お好み焼きやカキ,穴子に舌鼓をうちながら,熱い議論の続きをしていただけますように,関係者一同準備に努めたいと思っております.再び皆様方にお会いできますことを楽しみにしております.