教育システム情報学会 第41回全国大会 終了報告

全国大会委員会 委員長 小松川浩(千歳科学技術大学)

 平成28年の教育システム情報学会の全国大会を、8月29日(月曜日)から8月31日(水曜日)の期間、「21世紀型スキルを支える教育システムの展開」というテーマで、帝京大学(宇都宮キャンパス)で開催しました。
 今回の大会では、プレカンファレンスに5テーマ、8セッションからなる企画セッションに57件の発表、7件の学生研究特別セッション発表、109件の口頭発表、インタラクティブ発表47件の発表で、402人の参加者に集まって頂きました。
 大会初日には、会長の仲林清先生に「ビッグデータ・人工知能・メタ認知」というタイトルで基調講演を頂きました。革新的な情報技術を活用した人材育成におけるメタ認知の重要性を示唆頂きました。二日目には、「教育改革を支える基盤として教育システム情報学に何ができるか?」というタイトルで、池田満先生(北陸先端科学技術大学院大学)、須藤祥代先生(千代田区立九段中等教育学校)、田村恭久先生(上智大学)らを招いて、パネルディスカッションを行いました。高大接続改革における、高校や大学での事例や課題、そして新たな学力要素に対する教育手法と評価に関する研究課題について整理頂きました。最終日は、帝京大学共催のFDSD公開シンポジウムを開催致しました。特別講演では、安西祐一郎先生(独立行政法人日本学術振興会理事長)から「教育改革の展望とICTの活用」というタイトルでご講演を頂きました。ここでもメタ認知の重要性、学習プロセスを意識した教育手法の研究の重要性とそこでのICT活用への期待を講話頂き、日頃同じ想いを持つ本学会員に勇気と励みを頂きました。その後、野吾教行氏(学校法人河合塾)による基調講演や金田徹先生(関東学院大学)、飯田泰広先生(神奈川工科大学)、粂野文洋先生(日本工業大学)、望月雅光先生(創価大学)による事例の紹介を頂きました。実践的なアクティブ・ラーニングの取組紹介は、多くの関係者にとって有益な情報共有の場になりました。
 今回は台風の影響を受け大会参加者への影響も危惧されましたが、参加者の熱意がそれを上回り、大変多くの方にご参加頂きました。開催に向けては、現地の大会実行委員会の皆様には大変お世話になりました。企業展示のスタンプラリーや情報交換会での地酒コーナーの設置など、本当にきめ細やかなおもてなしを頂きました。また、一年をかけて事前準備にあたって頂きました全国大会委員会各位には、昨年同様に各担当が上手に連携しながら、自立的な運営を行って頂きました。また企画委員会を初めとする各委員会のご支援により、プレカンファレンスや各種奨励も滞りなく進めることができました。対応頂きましたすべての皆様に心より御礼申し上げます。
 来年の全国大会は、北九州国際会議場(実行委員長 九州工業大学 西野和典先生)で開催いたします。皆様方の教育システム情報学における研究成果がさらに進展し、九州の地で再びお会いできますことを楽しみにしております。
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